考察:「少年の野球離れと新ボールの導入」
こんにちは!
カメウサです!
休日には学校や大きな公園・河川敷では白球と真剣に向き合う野球少年を見かけますね!たとえ上手くても、上手くなくてもその経験は将来の糧になるよ!
さて、僕も経験した少年野球ですが、2018年から使用するボールが新しい規格となるようです。その中で気になることがいくつかありましたので情報収集と考察をしてみました。
具体的に何がどう変わったのか
トップインターナショナル株式会社より詳細が出ています。
http://www.top-ball.co.jp/images/important/new_ball.pdf
また、「毎日新聞」でも記事が出ております。他社より詳しい印象を受けました。
重要な点は、
1.大きさの変更(大きくなった)
2.重さの変更(重くなった)
3.反発力の変更(よく飛ぶようになった)
4.空気抵抗の変更(低抵抗になった)
の4点です。下記表に詳細をまとめました。
残念ながら空気抵抗の数値は分かりませんでしたが、ボール表面のくぼみ(ディンプル)の割合が増加することで抵抗が減少する、という知見があるようです。
慶応大学 理工学部機械工学科の創造演習に分かりやすくまとめた実験結果・考察 ゴルフボールのディンプルの役割について がありました。池澤様、ありがとうございます。
若干大きく、重く、しかしながらあまりバウンドはせずに飛距離が出るようになったのですが、その結果として硬式球に性質が近づいたとのことです。
以下、考察
確かに、僕の経験としても硬式球と軟式球を比べた場合に「跳ねない!重い!」と感じたのはよく覚えているので、軟式から硬式への移行を考えた場合には有効であると思います。
よく飛ぶのも面白さが増える要因となり、結果的にバッティングへのモチベーションが上がるかもしれません。
中学生の方はまだ良いと思いますが、小学生用については疑問があります。
そもそも小学生は1年生から6年生までいるのに同じボールでやるのはどうなのか?という点です。どう考えても、1年生と6年生では体格が違うので、せめて1-4年生と5-6年生で大きさを変える、という方が低学年への対応として妥当だと思うのですが、、、
打球が速くなるのも、小学生にはまだ早い気がします。
また、毎日新聞の記事では最後に全日本軟式野球連盟の方が「”新しいボールを野球人口の拡大につなげたい”」とコメントされていましたが、
「ボールを新しくしたぐらいで野球少年・少女が増えるなんて簡単な問題ではない」
ことをもっと真剣に考える必要があると思います。
(もちろん、連盟の方の期待感やそういうコメントが必要であったであろうことは理解しています。批評はしますが、批判・中傷ではありません。)
若者の〇〇離れ問題
よく聞きますよね。「若者の〇〇離れ問題」
今回は「少年の野球離れ」が、あるテレビニュースで新ボールと共に紹介されていました。「若者の〇〇離れ」については、以下のような原因が考えられます。
1.少子化の影響(単純に若者の人口が減った)
2.ライフスタイルの多様化(他の選択肢の出現と人気の分散)
3.若者の貧困
今回の少年野球について考えると、1.はそのままの解釈でよいでしょう。
2.については、例えば最近の流行りとしてフィギュアスケートやラグビーなど今までマイナーであった競技の人気が出たため、そちらに移る子供(結局は親の問題だけど)がいること。球技をやるための場所(学校や公園・空き地)がそもそもなくなってしまったことが挙げられます。また、中学受験をさせたい親が増えてきたことも要因でしょう。
3.については子供の親世代が、子供にスポーツをやらせられる程の金銭的・時間的余裕がないことが考えられます。日本では貧富の差が広がっているので、そういう家庭があっても不思議ではないでしょう。
もし本気で「少年の野球離れ」を防ぐなら
日本のスポーツ全体の話になりますが、「1つの競技だけをやり続ける功罪」という議論になると思います。つまり、「小学生以下の子供については本人の適正・興味が合っているか分からないので、まずは広く浅く取り組むべきだ」という主張です。
競技人口を増やし、興味・適性ともにある子供たちを増やすためには、その競技の裾野を広げる必要があります。また、たまたま始めたスポーツがたまたま本人の適正にあっていなかった(野球の天才が、サッカーの天才であるかは分からない)場合、幼少期の貴重な時間が大幅に減少しています。幼少期の経験値は多いが良いでしょう。
まずは、2・3個の競技(音楽なども含めて)をやってみて、その中から向いていると本人が思ったものを中学生でも続ければ良いのです。最初から可能性を絞らせてはならないと考えています。
もちろん、本人の体力が続かない場合もあるでしょう。その時は、どちらかやりたい方を選択してもらうことになると思います。
ある少年が、野球少年であり・サッカー少年であり・水泳少年であっても良いのです。
ある少女が、バスケ少女であり、テニス少女であり・ピアノ少女であって良いのです。
問題は、「始める時の障壁をどれだけ低くできるか」でしょう。これは個人の問題ではなく、その競技の協会や自治体の努力によると思います。本気で取り組むなら、なるべく小学3年生以下の子供たちがその競技に親しめる環境中作りを整備しなければなりません。ある一つの競技団体だけでなく、複数の団体が協力するのも一つの手である、と考えます。
また、効率の良い練習が求められるのはどの競技でも免れないでしょう。「働き方改革」同様に「スポーツ改革」は必要です。そうしなければ、どのスポーツでも競技人口は減少し続けることになるでしょう。
個人の意見を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた!