ソーシャルレンディングはじめました!~低リスクで運用するために気をつけたい3つのポイント~
こんにちは!
カメウサです!
クラウドファンディング(インターネット等を通じて不特定多数の出資者から資金を集める仕組み)の一つにソーシャルレンディングがあります。
ソーシャルレンディングは、不特定多数の出資者から集めた資金をある会社がまとめ、融資を行い、利息を付けて出資者に返す仕組みです。
要は金貸しです。
これだけ聞くと印象が悪いですね。
僕も、比較的高利回りかつ金貸しという印象の悪さから、投資先として疑問を感じていました。
しかしながら、よくよく調べてみると『ポートフォリオの一部としてソーシャルレンディングを利用するのは有効である』という結論に至りました。
今回はそのように感じた理由と、僕のようなソーシャルレンディング初心者が気を付けるべき点をまとめてみました!
ソーシャルレンディングの仕組み
ソーシャルレンディングは前述したように、お金を貸して欲しいけれど
1.大口の融資ではない
2.実績がない
3.一刻も早く融資が欲しい
などの理由で銀行からの融資ではなくソーシャルレンディング事業者を通じて資金を集めることを決めた企業が、一定期間後に利息をつけて出資者に返却し、その利息の一部をソーシャルレンディング事業者が手数料として受け取る仕組みです(図1)。
図1.ソーシャルレンディングの仕組み
銀行の融資の場合は、預金者のお金を銀行が借りている形で運用しています(つまり融資先が倒産すれば、そのまま銀行の損失となる)。一方で、ソーシャルレンディング事業者はあくまでお金集めをしているだけなので、融資先が倒産しても損失は生じないようになっています(信用はがた落ちしますが)。
銀行の融資とソーシャルレンディング事業者ではビジネスモデル・融資対象が異なるため 競合するわけではないようです。
「銀行の融資が受けられないからソーシャルレンディングにした。」という構図は必ずしも成り立ちません。ソーシャルレンディング事業者を審査は行っていますので、ある程度リスクは抑えられています。
投資先としては、まあ合格ですかね。
ソーシャルレンディングのリスク
僕が最も気になったのはソーシャルレンディングのリスクとリターンです。
一般的にリターンが高いモノはリスクも高くなります。そして、低リスク・高リターンのうたい文句はたいてい詐欺です。そんなものがあったところで、赤の他人に教えるわけがありませんよね。
ソーシャルレンディングを含むいくつかの資産分類(アセットクラス)のリスクとリターンの関係を図2に示します。
図2.資産種類別のリスクとリターンの関係
参考:リスクとリターンとは | 投資のすすめ | 水戸証券株式会社
ソーシャルレンディングは融資先が倒産するなどのリスクが存在するため、債券よりはやや高めのリスク位置になります。一方で、リターンは平均8%,(4~14%程度)であるようです。
参考:【2018年更新】ソーシャルレンディングの利回りは高いのか?平均利回りと各金融商品を比較 | ソーシャルレンディング情報 - CROWDPORT
利子による利益(インカムゲイン)のみしか期待できないため、株のように資産自体の価値が変動する(キャピタルゲイン)資産と比較するとリターンはやや低くなります。
その結果、ソーシャルレンディングは図2のような位置にくるものと考えれます。
ソーシャルレンディングの具体的なリスクにはどのようなものがあるのでしょうか?
列挙してみます。
1.融資先が債務不履行(デフォルト)に陥る
2.ソーシャルレンディング事業者が倒産する
3.流動性が低い
4.インフレに弱い
5.為替の影響を受ける(海外案件の場合)
リスクとして容易に考えられるのは以上の5点でしょうか。
1.2は説明不要でしょう。
3.は資金が一定期間拘束されるため、さらに高リターンが狙える融資先に投資できなくなる可能性(機会損失)があります。現金の流動性の高さに勝てるものはありませんので、投資はくれぐれも余裕資産で行いたいものです。
4.は現在の日本ではあまり実感しないと思いますが、元金自体の相対的な価値が目減りするリスクは考えておきたいですね。預貯金のみではインフレリスクに対応できません。
5.は海外案件かつ為替ヘッジなしの場合のリスクです。為替リスクが嫌な場合は、そのような案件への出資を止めればいいだけです。
ソーシャルレンディングを低リスクで運用するために
ソーシャルレンディング自体は高リスクな資産クラスではありませんが、それでもできる限りリスクを下げ、確実なリターンを狙いたいですよね。
リスクを抑える有効手段はいわゆる「分散投資」です。
株式の場合は投資信託やETFといった金融商品を用いることによって、効率の良い分散投資が可能です。
ソーシャルレンディングの場合、残念ながらそのような仕組みの商品はないため(あった場合は手数料が高くなり、リターンは減少するはずですが)、自らで投資案件を分散させる必要があります。
ではどの程度まで分散させるべきなのでしょうか?
今回はいくつかのリターン・リスクパターンから最悪の結果を想定して、許容できる分散件数を考えてみます。
まずは平均リターン10%,デフォルト確率1%の場合を想定してみましょう。
今回は分散件数と確率0.01%以上で起きる最悪のデフォルト数から、どの程度資産を守れるかを考えてみました。
デフォルト確率1%の場合、投資先数とデフォルトに合う確率分布は表1のようになります。
8件に分散投資した場合、0.01%の確率で3件のデフォルトに遭遇してしまいます。
この場合、全ての投資先に同じ金額を分散したのであれば、投資元金の68.8%を守ることができます(デフォルトに合わなかった5件は10%のリターンがあったと計算しています)。
表1.デフォルト確率1%の場合の分散投資先数とデフォルトに見舞われる確率
表1をさらに50件まで進め、0.01%以上の確率で起きる最悪のデフォルト時のリターンを図3に示します。この場合、リターン100%は投資元金すべてを守れたことになります。
図3.投資先分散件数 と最悪の場合のリターン率
図3から、ある程度分散していれば、99.99%の確率で投資元金を守れることがわかります。ちなみに、図3の場合は分散件数44件で100%元金を守れます。
22件では90%,30件では95%でした。
次にリターン5%,デフォルト確率0.3%の場合です。
この場合は50件に分散しても100%の資金守ることはできませんが、32件以上の分散で95%以上の元金を守れます。
さらに、リターン3%,デフォルト確率0.01%の場合です。
この場合、34件への分散で100%資金を守れました。
上記の3パターンを考えると30件以上の投資先分散がリスク回避のために必要であると言えそうです。分散件数が多ければ多いほど、リスクは回避できますが、その分手間がかかります。30件は妥当な数値と言えます。
ポイント1:投資案件の分散
注:2018年6月現在では、過去3年間にデフォルトは起こっていません。返済遅延は起こっているようですが、最悪元金を失わなければよいのでは?と僕は思います。
案件の分散と同じく重要なのがソーシャルレンディング事業者の分散です。
1社のみでまとめた方が楽ですが、事業者は倒産した場合に元金が確実に保証されるかは分かりません。(極めて重要な点ですので、各事業社の公式情報をご確認下さい。)
僕は、事業者の分散数としては10件を考えています。(もちろん多い方がいいですが、そもそも事業者数が20社程度しかありません。)
10社の選定基準としては
1.成立案件総額
2.資本金・株主・経営状況
3.過去のトラブルの有無とその後の対応
以上を総合的に考慮して、1年ごとに事業者の見直しをするので良いと考えています。(ダウの犬戦略にイメージとしては近いかもしれません。)
ポイント2:ソーシャルレンディング事業者の分散
絶対に気をつけたい入出金手数料の問題
投資信託などもそうですが、長期投資では手数料が非常に重要になります。
ソーシャルレンディングにかかる手数料には各ソーシャルレンディング事業者の投資口座への入出金があります。(その他にも様々な手数料が存在しているはずですが、先に事業者に引かれているものが多いです。)
ソーシャルレンディング事業者の主な入金口座は、三井住友銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行です。
いずれも大手の銀行ですが、通常は同行間でも支店が異なれば手数料が発生します。
手数料の発生を回避するには、ネット銀行が有効です。
例えば、じぶん銀行の場合、三菱UFJ銀行への手数料はいつでも無料。さらにランクに応じて他行への手数料も最大5回まで無料です。
その他にもSBI住信ネット銀行や新生銀行、ソニー銀行を使用することで月1回以上の無料入金が可能となります。
三菱UFJ銀行を使用している事業者が多いことから、じぶん銀行+その他1行で通常は無料の範囲で運用可能でしょう。
ポイント3:入金は手数料無料のネット銀行から
まとめ
まとめです。
気を付けたいポイントは、
1.投資案件の分散(30件以上が目安)
2.事業者の分散(健全と判断できればできるだけ多く)
3. ネット銀行から入金(じぶん銀行+1行)
以上の点に気を付ければそこそこリスクを回避して手数料に負けないリターンを得られると考えられます。
今後、ソーシャルレンディングをはじめとするクラウドファンディングはますます発展するはずです。
まずは、少額からこれらの潮流に乗っていってはどうでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
それではまた!
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