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『キャッシュレス派の方がお金が貯まる』は本当なのか?

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こんにちは!

カメウサです!

 

2018年1月28日(日)のTBS系バラエティー番組「林先生が驚く初耳学」の中で、『現金派よりキャッシュレス派の方が貯金が増える』という内容が紹介されていました。

僕も好きな林先生の番組ですが、説明中に使われていたデータに違和感を感じました。本当にそのデータは正しいのか?(正しい解釈をしているのか?)

どうやら、元のデータは株式会社JCBの調査《キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2017》(実施機関:ネットエイジア株式会社)であるようです。

 

データは取り扱う人によって、都合の良い所がどうしても強調されてしまいます。

本来であれば、生データと調査方法を確認するべきです。今回は、僕が「JCB調べ」のこの調査を見て何を感じたか、考察したか紹介したいと思います。

 リンクを下に貼っておきました。ぜひあなたも内容を確認してみて下さい。

http://www.global.jcb/ja/press/news_file/file/170329.pdf

 

それでは実際に記事を見ていきましょう!

 

この調査では対象を、20代から60代までの5階級に分類しています。また、それらの年齢層から男女各100人、合計1000人にアンケートしたようです。

つまり、実際の人口分布よりも若者の相対的な比率は高くなっている。と考えて良いと思います。

ちなみに日本の年齢別人口分布はこちら↓

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出典:統計局ホームページ/日本の統計 2017−第2章 人口・世帯

 

年配の方が多いですね。というか今回の調査に入ってない人、多すぎません?

おそらく、生産人口をターゲットにしているのでこのような調査対象になったのでしょうね。

 

サンプリング方法は、インターネット調査とのことです。詳しくは分かりませんでした。残念です。

 また、今回の調査は『貯蓄』に関する質問をしています。『貯金』ではないので、不動産や有価証券なども貯蓄に入ると考えて良いと思います。

 

以上のことを頭に入れて、示されたデータを見ていきましょう。

 

惑わされてはいけない中央値と平均値

以前の記事でも中央値と平均値の違いを説明しました。違いをまだ知らない方は、今後データに騙されないためにもぜひ確認して下さいね!

kameusakunnikki.hateblo.jp

 

さて、JCBのプレスリリースでもバンバン平均値を使っていますが、中央値は示されていません。明らかに罠です。これらのデータは高所得者によって大きく平均が上がっていることを考慮しなくてはなりません。

それでは今回のテーマである貯蓄額のデータを見ていきます。(プレスリリースの図4が該当します。)少し見づらいので、図は変えたものを下に示します。(もちろん数値は一緒です。)

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そして、重要な3つの数値、最頻値・平均値・中央値と分布を表にしました。

 

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やっぱり、というか、最も多いのは貯蓄が全くできなかった人です。

若くて給料が低い方(僕らのことですね、、、)や年金生活に突入した60代後半の方はここに収まるのかもしれません。

また、中央値も10万円未満という結果になりました。

この調査では、半数以上の人が1年間に10万円も貯蓄を増やすことができなかった、という結果になっています。

なんだか実感に一致すると思います。

 

次に、この表から各貯蓄額の平均値を考えて (10万円台なら15万円と仮定して)、平均値である37.4万円に達するためには高所得者がいくら1年間に貯蓄を増やしているか、逆算したいと思います。

その結果が下表です。

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どうやら上位0.7%の高所得者は年間1100万円も貯蓄を増やしているようです。ざっくりした計算ですが、おおよそ合っているのではないでしょうか。

富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる。

これは今も変わらないようです。

 

『キャッシュレスの方が貯蓄が多い』に対する考察

年間貯蓄額のデータを改めて検討した結果、『今回の平均貯蓄額にはあまり意味がない可能性がある』、と考えられます。

単純に、高所得者になればなるほど、現金という『モノ』で支払うには限界があります。(100万円も財布に入りきりませんからね!)

 

どうしても高所得になるほどキャッシュレス(クレジットカードを使う)になるのであれば、平均貯蓄額に現金派とキャッシュレス派で差が生まれることになるでしょう。

本来であれば、年収のデータも考慮して結果を解釈するべきだと感じます。

キャッシュレスであればお金が溜まる、と考えるのはナンセンスでしょう。鶏が先か、卵が先か(高所得が先か、キャッシュレスが先か)の話になる気もしますけどね。

 

また、貯蓄額の度数分布図(ヒストグラム)を見てみると、0円をピークとする山、10万円未満の山の他に50万円または100万円をピークとする山に別れています。この結果を受けて、集団が3つのタイプのグループから形成されている、と考察してみました。

 

つまり、『お金を貯めることができない集団』、『お金をなかなか貯められない集団』、そして『どうにかして50or100万円を貯める集団』がある、ということです。

 

ここでも年収のデータがないと正確な解釈は出来ません。これらの集団の差が何により生まれるのかについてですが、『お金を貯めることができない集団』が形成される原因は、『低賃金』によるものであることは疑う余地がないでしょう。

無貯蓄であれば、将来さらに困窮し、そしてそれが次の世代に継がれてしまいます。それだけはどうにかして阻止したいものです。

対策は国レベルでの貧困対策制度整備でしょう。若者を切り捨てては、この国に未来がない。それを全ての国民がもっと深刻に考えるときに来ています。

 

次に、『お金をなかなか貯められない集団』と『どうにかして50or100万円貯める集団』の違いです。

こちらは巷にある説のように、計画的・戦略的に収入と支出を把握・改善できる能力がある人が、お金を貯める集団を作り出しているのかもしれません。

 

お金を貯めるには、収入を増やすか、支出を減らす、の二択しかありません。

クレジットカードを使っても収入は増えません。クレジットカードを使えば使うほど支出は増えます。

 

重要なのは、低賃金社会をぶっ壊すこと!

そして、収支バランスの把握です。

 

浪費はしない、消費・(自己)投資はしっかりする!

キャッシュレスな生活にするか、しないかではなく、自分に合ったやり方で自分の価値高め、マネーリテラシーを高めて、『どうにかして100万円を貯める人』になりたいですね!

 

最後までお読み頂きありがとうございました!

それではまた!

 

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